出会いと別れの季節……。菜種梅雨の様相なのかしっとりと寒い雨がそぼ降る夕刻ともなれば、気温も下がりそれは霰…雹……、ちょうど今年度で退社する社員の送別会でもある、急がねばと思いつつどうも仕事が片付かない、この分だと送別会どころか終電に間に合うかどうか……。年度末というのはいつもながら慌ただしく気忙しいものだ。時節柄酒の席も多くストレス発散に騒ぎ立てるのもよいが、私はやはりどこかで静かにゆっくりと酒を飲みたいものと思いつつ、学生時代の友に新年度になったら早速一杯やらんかと電話す……、何やかやと結局深夜までの仕事となってしまった、窓の外は氷雨に煙るビルの町々の明かりも一つ二つと消えようとしている。この雨も其々の道をゆく者たちの思い出の雨となったに違いないと・・・・・・。
石川啄木
君に逢ふこの二月を何事か忘れし大事あリりしごとく思ふ
明日を思ふ心の勇み生涯の落着を思ふさびしさに消ゆ