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オオマシコ

このオオマシコの撮影の時に季節こそ違うのだが、何となく情景が浮かんだのが徳富蘆花の不如帰この一節
 『伊香保より水沢(みさわ)の観音(かんのん)まで一里あまりの間は、一条(ひとすじ)の道、蛇(へび)のごとく禿山(はげやま)の中腹に沿うてうねり、ただ二か所ばかりの山の裂け目の谷をなせるに陥りてまた這(は)い上がれるほかは、目をねむりても行かるべき道なり。下は赤城(あかぎ)より上毛(じょうもう)の平原を見晴らしつ。ここらあたりは一面の草原なれば、春のころは野焼きのあとの黒める土より、さまざまの草萱(かや)萩(はぎ)桔梗(ききょう)女郎花(おみなえし)の若芽など、生(は)え出(い)でて毛氈(もうせん)を敷けるがごとく、美しき草花その間に咲き乱れ、綿帽子着た銭巻(ぜんまい)、ひょろりとした蕨(わらび)、ここもそこもたちて、ひとたびここにおり立たば春の日の永(なが)きも忘るべき所なり。』
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by hiro-0941 | 2007-02-18 23:31
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