毎年のことだがこの年度末というのは何処となく慌ただしく、気ぜわしいといったところだ。ここにきてやっと解放された感じである。三月は休日らしい休日を過ごしてはいない。桜も咲き暖かくなってきたが夜になればやはり少し寒さを感じる。月朧にして夜風に吹かれ温まろうかと社の帰り、いつもの小料理屋へと暖簾越しに店の中を見れば、珍しくカウンター席がいっぱいであった。女将が店の外にまで来て「奥の座敷でもよろしいのに、・・・この前お待ちしてたのよ・・・・。」薄紅色のマニキュアの指先が私の袖口を引っ張っている・・・・。座敷に一人じゃ悪いからと店を後にした。赤提灯屋台の焼鳥屋で冷酒を煽る・・・・。何と味気ないものか。 疲労感多分にあり・・・・。
何気なく何となく与謝野晶子を読んでみる。
『この外にまた楽まずわが君の言の葉断えず耳を打てかし』
『心をば少ししびれてあれよとも自ら思ふ恋をなすにも』
『わが傷を愛づると人の思ふらん斯くうち思ひ涙零れつ』