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桜花香          ミヤマホウジロ

 枯れ木に花が咲くが如し、三日見ぬ花、桜である。枝葉が出ぬうちに花が咲く、梅も同じようではあるが梅は日持ちがよく雨風に強い、桜は三日見ぬ花と言われる所以は、一夜の内に花が咲き、散り際も一夜の如しである。花びら一つはらはらと散りし情景、歳月を重ねたこの目には、何か無常なるものを感じてならぬ。人生の刹那なるか、その所業は人生の廻りゆく過ぎし日々。酔いが醒めた夜半過ぎ何かに詫びるかのように、物想う。


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『知らず、生れ死ぬる人、何方(いずかた)より来たりて、何方へか去る。また知らず、仮の宿り、誰(た)が為にか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その主と栖と、無常を争ふさま、いはばあさがほの露に異ならず。或は露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。或は花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕を待つ事なし。』

                                                方丈記
by hiro-0941 | 2008-03-28 00:41
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