春雨が嵐の如くに激しい雨となることもなく、どこへいっても桜が満開の街並、今年は本当に桜の日持ちがよく随分楽しませて頂いた。先日、仕事の区切りも良く帰り支度の夕刻・・・と言っても7時頃、私のそばにきて「半夏生のページがずいぶんと増えたのね」と、時折見てくださっている感謝。「ねェ、色白の秋田美人て誰のこと?」・・・・。花粉症でマスクをしており、声がこもりがちに聞こえた。「あなたですよ」と終業のチャイムに声がかき消されたようだ。物静かに微笑む眼鏡の奥の瞳が潤んでいた。
『もらさじとつつむものから よの人に かつしられたき恋もする哉』
『我ながらこころよわくも洩らしけり 忍びはてんとおもひしものを』
樋口一葉