東京郊外にある玉川上水界隈、淡く豪華にも悲しげにも様々に曖昧な色合いを変える紫陽花もこの時期色も薄れ枯れ始めてきた。珍しく携帯電話にて「たった一日だけのお休みよ・・・・。」と、散歩のお付き合いをした。大きな欅並木がかつては林立し、もっともっと木々が生い茂っていたはず、近年・代も変わりまた、通行の妨げになるのか、すっかり枝を落とされた欅並木を歩く。梅雨の時期独特の纏わりつくような湿気がこの上水沿いでは少しひんやりとした感じがする。少し足を延ばし昔の面影武蔵野を思わせる農家の農園・・・庭先にてウグイスが鳴く嗚呼!!心癒やされる一時を過ごした。
平安の万葉のその昔詠み人たちはこの紫陽花の花を色恋にあてて歌った。
『あぢさゐの花のよひらにもる月を影もさながら折る身ともがな』
『茜さす昼はこちたしあぢさゐの花のよひらに逢ひ見てしがな』 詠み人不詳